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障害厚生年金とは?働けなくなった時のバックアップ制度

本記事は情報提供のみを目的としています。医学的なアドバイスや診断については、専門家にご相談ください。

「病気やケガで、今までのようにバリバリ働けなくなってしまった…」

「厚生年金にずっと入っていたけれど、何か助けになる制度はないかな?」

そんな不安を抱える会社員や公務員の方にとって、最も重要な支えとなるのが障害厚生年金(しょうがいこうせいねんきん)です。

これは「障害基礎年金」に上乗せして支給されるだけでなく、基礎年金にはない「3級」や「一時金」という仕組みがあるため、より幅広い「生活の制限」をカバーしてくれる、手厚い所得保障制度です。

【この制度のポイント】

「障害基礎年金」にプラスしてもらえる(1級・2級なら2つの年金をダブルで受給できます)

「3級」でも年金がもらえる(基礎年金は2級まで。厚生年金なら、比較的軽い障害でも対象になります)

「障害手当金(一時金)」がある(3級にも満たない場合でも、まとまったお金が一度だけ支給されることがあります)

「配偶者」がいれば加算がある(1級・2級の場合、生計を維持している配偶者に加算がつきます)

1. 制度の概要

障害厚生年金とは、厚生年金保険の加入期間中に「初診日(初めて医師の診察を受けた日)」がある病気やケガが原因で、障害の状態になったときに支給される年金です。

この制度の目的は、「労働能力の喪失や減少による所得の減少を補うこと」にあります。基礎年金が「日常生活の困難さ」を基準にするのに対し、厚生年金は「仕事への支障」も重視されるのが特徴です。

2. 支援の内容

厚生年金の額は、これまでの「給与(標準報酬)」「加入期間」によって決まる「報酬比例」という方式で計算されます。

以下は2026年度の目安で金額を算出しています。

① 1級・2級(基礎年金とセット)

  • 1級: (障害基礎年金1級)+(障害厚生年金:報酬比例の額 × 1.25)+ 配偶者加給年金
  • 2級: (障害基礎年金2級)+(障害厚生年金:報酬比例の額)+ 配偶者加給年金

② 3級(厚生年金独自)

  • 3級: (障害厚生年金:報酬比例の額)
    • 最低保証額:635,500円/年(月額 約5.3万円) ※加入期間が短くても、300ヶ月(25年)働いたものとして計算してくれる優しいルールがあります。

③ 障害手当金(一時金)

  • 3級に満たない程度の障害が残った場合に支給される一時金。
    • 金額: 報酬比例の年金額 × 2年分
    • 最低保証額:1,271,000円(1回限り)

3. 対象となる人

受給するためには、以下の条件をすべてクリアする必要があります。

① 初診日(しょしんび)要件

障害の原因となった病気やケガの初診日に、厚生年金に加入していること。 (会社員、公務員など。アルバイトでも厚生年金に入っていればOKです)

② 保険料納付要件

初診日の前日において、以下のいずれかを満たしていること。

  • 初診日の前々月までの加入期間のうち、3分の2以上が納付・免除されている。
  • 直近1年間に未納がない。

③ 障害認定日(しょうがいにんていび)要件

初診日から1年6ヶ月経った日(または症状が固定した日)に、障害等級(1〜3級)に該当していること。

4. 申請先と必要なもの

手続きの窓口は、お住まいの近くの「年金事務所」または「街角の年金相談センター」です。

申請に必要なものチェックリスト
  • 年金請求書: 窓口でもらいます。
  • 年金用診断書: 主治医に記入してもらう重要書類。
  • 受診状況等証明書: 初診の病院で発行してもらう「初診日の証明」。
  • 病歴・就労状況等申立書: 自分で記入する、これまでの経過。
  • 配偶者がいる場合: 戸籍謄本、配偶者の収入証明書など(加算のため)。

5. 利用する際の注意点

① 退職後でも「初診日」が在職中ならOK

「もう会社を辞めてしまったから申請できない」と思われがちですが、大切なのは初診日に加入していたかどうかです。辞めた後の申請でも、初診日が在職中なら「障害厚生年金」の対象になります。

② 「障害手当金」は症状固定から5年以内

一時金である障害手当金は、病気やケガが治った(症状が固定した)日から5年以内に請求しないと時効でもらえなくなってしまいます。

③ 働きながらでも受給できる

厚生年金は「労働能力の減少」を補うものですが、無理のない範囲で働きながら受給している方も多くいます。特に3級は「現役で働きながら、通院費や生活費の足しにする」という使い方が想定されています。

6.よくある質問

Q
共済年金(公務員など)の場合はどうなりますか?
A

現在は「厚生年金」に統合されています。

かつての共済年金も今は厚生年金として扱われます。窓口は年金事務所ですが、共済組合から書類を取り寄せる必要がある場合もあります。

Q
基礎年金しかもらえないと言われたのですが…
A
Q
手続きが複雑すぎて自分では無理そうです。
A

「社会保険労務士(社労士)」というプロがいます。

障害年金の申請は非常に専門的です。自分でやるのが難しい場合は、社労士に代行を依頼することも可能です(成功報酬が発生するのが一般的です)。

7.まとめ

障害厚生年金は、これまであなたが一生懸命働いて納めてきた「保険料」のリターンとして受け取れる、正当な権利です。

1級・2級の重い状態だけでなく、3級という「少しの支え」が必要な段階からサポートしてくれるのが、この制度の優しさです。もし、病気やケガで今後のキャリアや収入に不安を感じているなら、まずはご自身の「初診日」を確認することから始めてみてください。

参考・引用元:

※制度の内容について、詳細は必ずお住まいの市区町村の窓口でご確認ください。