PR

療育手帳とは?自分らしく成長するためのサポート制度をわかりやすく解説

本記事は情報提供のみを目的としています。医学的なアドバイスや診断については、専門家にご相談ください。

「うちの子、他の子と少し様子が違うみたい。これからどう支えていけばいいんだろう?」

「将来の自立のために、今できる公的なサポートは受けておきたいけれど、何から始めればいい?」

お子さんやご自身の「発達のゆとり」について、一人で抱え込んでいませんか?療育手帳(りょういくてちょう)は、知的障害がある方が一貫した指導や相談を受け、さまざまな福祉サービスを利用しやすくするための「応援団(サポーター)」のような手帳です。

この手帳を持つことで、これまで「どうすればいいかわからない」と不安だった毎日に、具体的な支援という「道しるべ」が加わります。

【この制度のポイント】
  • 専門的なアドバイスが受けやすくなる(児童相談所や更生相談所とつながり、将来の相談がしやすくなります)
  • 家計の負担を軽くできる(特別児童扶養手当の受給や、税金・交通機関の割引が受けられます)
  • 教育や就労の選択肢が広がる(個別の支援計画を立てやすくなり、障害者雇用枠での就職も可能になります)

1. 制度の概要

療育手帳とは、知的障害がある方に対して交付される障害者手帳の一種です。

実は、身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳とは異なり、国が定めた法律(法律の条文)ではなく、各都道府県や政令指定都市の「ガイドライン(通知)」に基づいて運用されています。

そのため、自治体によって「愛の手帳」「みどりの手帳」など呼び名が異なることもありますが、役割は全国共通です。

この制度の目的は、「知的障害のある方が、周囲の理解とサポートを得ながら、社会の一員として安心して暮らしていくこと」にあります。判定(テストや面談)を受けることで、その方の得意なことや苦手なことを整理し、最適な支援につなげるためのツールです。

2. 支援の内容

療育手帳を持つことで、生活のさまざまな場面で助けが得られます。

① お金や生活に関するサポート

  • 手当の受給: 「特別児童扶養手当(20歳未満)」や「障害児福祉手当」などの申請がスムーズになります。
  • 税金の割引: 所得税や住民税の「障害者控除(こうじょ)」が受けられ、納める税金が安くなります。
  • 公共料金の割引: NHK受信料の全額・半額免除や、水道料金の減免(自治体による)があります。

② 移動や外出のサポート

  • 交通機関の割引: JR・私鉄の運賃、バス、タクシー、有料道路(高速道路)の通行料金が割引になります。
  • レジャー施設の割引: 動物園、水族館、映画館などの入場料が本人(および介助者)ともに割引になることが多いです。

③ 教育・就労のサポート

  • 特別支援教育: 学校での個別の教育支援計画を立てる際の目安になります。
  • 障害者雇用: ハローワーク等を通じて、障害者専用の求人に応募でき、定着支援も受けられます。

【判定区分(ランク)の目安】

自治体により異なりますが、一般的には知能指数(IQ)や日常生活の自立度を総合して判断されます。

区分(例)状態の目安主な支援の傾向
A(重度)日常生活に常時、個別的な援助が必要な状態手当の増額、手厚い介護サービス
B(中軽度)基本的な生活はできるが、複雑な場面で助けが必要な状態就労支援、交通機関の割引など

3. 対象となる人

療育手帳の対象となるのは、「18歳未満(児童期)に知的障害が現れ、日常生活に支障が生じている方」です。

具体的には、以下の2つの窓口で「判定(調査)」を受ける必要があります。

  1. 18歳未満: 児童相談所
  2. 18歳以上: 知的障害者更生相談所

「大人になってから初めて気づいた」という場合でも、子どもの頃からその傾向があったことが証明できれば申請可能です。医師の診断書だけでなく、心理判定員による知能テストや、これまでの生活の様子(母子手帳や通知表など)を総合して判断されます。

4. 申請先と必要なもの

手続きの窓口は、お住まいの市区町村の「障害福祉窓口(福祉課など)」です。

申請の流れ
  • ラベル
    窓口で相談

    申請書類をもらいます。

  • ラベル
    判定の予約

    児童相談所などで面談・テストの日時を決めます。

  • ラベル
    判定(テスト)

    本人と保護者が立ち会い、知能テストや聞き取り調査を行います。

  • ラベル
    手帳の交付

    審査後、1〜2ヶ月程度で手帳が届きます。

必要なものチェックリスト
  • 交付申請書: 窓口にあります。
  • 本人の写真(1枚〜2枚): 縦4cm×横3cm。最近撮影したもの。
  • 印鑑: 認め印(自治体により不要な場合あり)。
  • マイナンバーがわかるもの: マイナンバーカードなど。
  • (参考資料): 母子手帳、学校の成績表、育児記録など(幼少期の様子がわかるもの)。

5. 利用する際の注意点

① 「再判定」の時期がある

子どもの場合は成長に伴って発達の状態が変わるため、「次は〇年後」と更新(再判定)の時期が指定されます。この時期を過ぎると手帳が失効し、サービスが止まってしまうので注意しましょう。

② 自治体によって「ルール」が違う

「A・B」という区分の自治体もあれば、「1〜4度」という区分の自治体もあります。また、受けられる割引の内容(ガソリン代の補助など)も地域差が非常に大きいため、引っ越した際は必ず新しい役所で確認が必要です。

③ 「返還」もできる

もし状態が改善して判定基準から外れたり、本人が手帳を必要としなくなったりした場合は、いつでも返還(返すこと)が可能です。「一度作ったら一生障害者として扱われるのでは?」という心配は不要です。

6.よくある質問

Q
発達障害(自閉スペクトラム症など)でも療育手帳はもらえますか?
A

知的障害(IQの数値など)を伴う場合は対象になります。

発達障害がある一方で、知的障害の基準には当てはまらない(IQが高い)場合は、療育手帳ではなく「精神障害者保健福祉手帳」の対象になることがあります。どちらの手帳が適切かは、主治医や窓口で相談してみましょう。

Q
手帳を持つと、普通学校の普通学級には通えなくなりますか?
A

そんなことはありません。

手帳の有無と、どの学級に通うかは別問題です。手帳を持っていることで「合理的配慮(テストの時間を延ばす、個別に声をかけるなど)」を受けやすくなるメリットはありますが、進路を強制されることはありません。

Q
「知的障害」という言葉に抵抗があり、申請を迷っています。
A

そのお気持ち、よくわかります。

「ラベルを貼られる」ようで不安ですよね。しかし、手帳は「できないことを証明するもの」ではなく、「できることを増やすためのツール」です。周囲に公開する必要もありませんし、まずは「割引や手当を受けるためのカード」と割り切って取得される方も多いですよ。

7.まとめ

療育手帳は、お子さんやご自身が社会の荒波の中で立ち往生しないための「ライフジャケット」のようなものです。

申請の手続きを通じて、専門家と一緒に「今の課題」や「将来の希望」を整理できること自体が、大きな一歩になります。もし迷っているなら、まずは役所の窓口で「今の困りごと」を話してみるだけでも構いません。

あなたが、そしてあなたのご家族が、余計な苦労を背負わずに「得意」を伸ばしていけるよう、社会の仕組みを賢く使っていきましょう。

参考・引用元:

※制度の内容について、詳細は必ずお住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

タイトルとURLをコピーしました